プロジェクト収支管理ツールの型の違い

収支管理とは、プロジェクトや企画ごとに原価や売上、経費などを管理する活動のことをいいます。収支の状況を把握できていなかった場合、資金繰りが上手くいかず、会社の存続が困難となる可能性があるため、収支管理は会社を運営していく上で重要な仕組みです。

しかし、プロジェクト収支管理ツールは3つのタイプに分類されており、自社に合わないツールを選んでしまうと業務効率も悪くなってしまうでしょう。

この記事では、プロジェクト収支管理ツールの違いをそれぞれのタイプごとに解説します。プロジェクト収支管理ツール導入の参考にしてください。

オールインワン型のプロジェクト収支管理ツールとは

オールインワン型のプロジェクト収支管理ツールとは、販売管理や購買管理、原価管理、債権・債務管理、勤怠管理やワークフローなど、企業に必要な機能を一つにまとめてパッケージ化されているツールのことです。全社のプロジェクトの情報が一元管理できるので、全社の収支をまとめて把握しながら管理できます。

しかし、プロセス管理機能に劣るオールインワン型は、システム開発が多い企業では不便に感じることもあるため、分離型の方が使いやすいかもしれません。近年では、複数のプロジェクトをまたいだ収支管理ができ、プロジェクト管理機能も搭載されているERPを導入する企業も増えています。

分離型のプロジェクト収支管理ツールとは

分離型のプロジェクト収支管理ツールとは、実績管理とプロジェクト情報を別で管理できるツールです。収支管理の基幹システムで実績管理を行い、プロジェクト情報は別途Excelやプロジェクト管理ツールで予実管理を行います。

プロジェクト収支は基幹システムで管理するため、日次や月次などの各種データは基幹システムへの定期的な連携が必要です。プロセス管理機能に劣るオールインワン型に比べ、分離型はシステム開発が多い企業やプロセス管理を重視する企業にとって扱いやすいでしょう。

統合型のプロジェクト収支管理ツールとは

統合型のプロジェクト収支管理ツールとは、オールインワン型・分離型のメリットを合わせ持つツールです。統合型は品質・コスト・納期のプロジェクト管理に必要な管理機能に加え、基幹システムによって行われるプロジェクト収支管理機能が一つのツールにまとまっています。

オールイン型はプロセス管理機能に劣り、分離型であれば日次や月次などの各種データを定期的に基幹システムに連携することが必要というデメリットがあります。どちらもニーズに満たない場合は、統合型を選ぶとよいでしょう。

自社に合う型を吟味してツールを選ぼう

収支管理を行うことで、プロジェクトにどれだけの資金を投入していて、追加予算が必要なのか、コストを下げるべきかが適切に判断できます。それゆえ、収支管理を行うことは、赤字や黒字倒産といったリスク回避や会社の利益向上に繋がるため、重要視されています。

しかし、プロジェクト収支管理ツールには3つの異なるタイプがあり、製品によって搭載機能も違うので、導入の際はしっかり吟味することが大切です。自社のニーズに満たないタイプや機能のツールを選んでしまうと、望んでいるような導入効果は見込めません。

まずは「オールインワン型」「分離型」「統合型」、それぞれのメリットやデメリットを理解し、自社が求めるツールを選んでみてください。自社に最適なプロジェクト収支管理ツールを導入し、計画的な運営を行いましょう。